仮面浪人とは？受験成功率アップのポイントやメリット・注意点などを解説

2024年8月2日2025年9月1日買取コラム,勉強法

※2025年9月1日更新

ブックスドリーム 編集の吉田です。

いつも弊社ブログをお読み頂きありがとうございます。

第一志望の大学を諦めきれないけれど、浪人はどうしても不安という方には「仮面浪人」という選択肢があります。言葉は聞いたことがあっても、仮面浪人をするとどんな生活を送ることになるのか、どんなメリット・デメリットがあるのかはご存じない方が多いのではないでしょうか？

今回は、参考書や赤本、予備校テキスト・教材を専門に16年以上買取と販売を行い、500万名以上にご利用いただき、45万件以上の買取と4000万冊以上の取扱い（2025年1月時点）を行ってきた弊社が、そもそも仮面浪人とは何か、通常の浪人と比べてどんなメリット・デメリットがあるのかを知りましょう。浪人するならどちらを選ぶべきなのかを検討するポイントや、再受験に成功するための心構えも解説していきます。

 

仮面浪人とは

大学受験における浪人とは、進学を希望する大学に不合格となってしまった場合に、次年度の入学を目指して受験勉強を続けることです。通常は、別の学校への進学や企業などへの就職はせず、受験勉強に集中する期間となります。

これに対し、滑り止めで受験・合格した別の大学に入学したうえで、受験勉強を続けることを「仮面浪人」と言います。たとえば、第一志望である東京大学に不合格となった人が、滑り止めで合格した慶応義塾大学に入学しながらも、次年度の東京大学合格を目指す場合などです。

仮面浪人生は、通常の学生と同じように講義に出席する、進級のために最低限必要な科目の講義にのみ出席する、大学に籍を置きながらも通学はせず、受験勉強に専念するなどさまざまなスタイルがあります。

仮面浪人のメリット

通常の浪人ではなく、あえて他大学に進学する仮面浪人を選ぶことのメリットを解説します。

＜仮面浪人のメリット＞
・大学生の肩書きが得られる
・もし受験に落ちても、大学生のままでいられる
・大学生を体験できる

それぞれを具体的に見ていきましょう。

大学生の肩書きが得られる

仮面浪人を選ぶもっとも大きなメリットが、高校卒業後すぐに大学生という肩書きを得られる点です。通常の浪人を選ぶ場合、最低でも1年間は、どこの組織にも属していない空白期間が生まれてしまいます。

履歴書上の空白期間を作ることへの不安が強い方や、浪人という立場に後ろめたさを感じてしまうという方は、仮面浪人を検討しましょう。

もし受験に落ちても、大学生のままでいられる

仮面浪人をして受験した大学に再び落ちてしまったとしても、受験勉強と並行して要件を満たしていれば、同級生と一緒に進級ができ、次年度以降も大学生のままでいられます。履歴書上の空白期間も生まれません。

浪人中に「また落ちたら空白期間が1年延びてしまうかもしれない」と考え、必要以上にプレッシャーを感じてしまう方は少なくないため、安心材料を作っておくことがプラスになるケースもあるでしょう。

大学生を体験できる

浪人しながら大学生としての生活を体験することが、第一志望の大学に入学したいという気持ちをより強固にしたり、反対に進路自体を前向きに考え直したりするきっかけになるかもしれません。

また、入学した先で友達を作って交流を深めれば、多忙な仮面浪人生活によるストレスを上手に発散できるでしょう。

仮面浪人のデメリット

仮面浪人を選ぶことには、通常の浪人と比べたときのデメリットも多くあります。家庭の経済的な事情が絡むものでもあるため、保護者とよく話し合って慎重に検討してください。

＜仮面浪人のデメリット＞
・大学に通う費用がかかる
・勉強をする時間が確保しづらい
・勉強に対するモチベーションが下がるかも

それぞれを具体的に見ていきましょう。

大学に通う費用がかかる

形としては大学に入学するため、その分の学費が発生する点が仮面浪人の大きなデメリットです。入学金や授業料、設備費など、平均して年間で140万円以上を支払う必要があります。

仮面浪人をしながら、生活費や学費までを自分で工面するのは現実的ではないため、ほとんどの方は保護者の協力を得ることになります。経済的な事情で通常の浪人はできても、仮面浪人は難しいというケースも多いでしょう。

勉強をする時間が確保しづらい

大学に籍だけを置いて通学はしないケースを除いて、仮面浪人の場合は、入学した大学での勉強と受験勉強を並行する必要があります。それぞれに十分な勉強時間を確保しづらいため、通常の浪人生活に比べると受験勉強の効率が下がってしまう点と、大学の勉強も中途半端なものになってしまう可能性がある点がデメリットです。

勉強に対するモチベーションが下がるかも

仮面浪人のメリットとして解説した「もし受験に落ちても、大学生のままでいられる」は、デメリットとして作用することもあります。大学生という肩書きを得たことによる心の余裕や、第一志望の大学でなくても、学生生活を楽しめている事実から「落ちても大丈夫」という気の緩みが生まれやすいです。結果として、受験勉強へのモチベーションが下がってしまうかもしれません。

仮面浪人前に考えておくべき3つのこと

仮面浪人を検討するにあたって、前もって考えておくべきこととして、費用や時間・期間、もし失敗した場合の進路があります。仮面浪人が現実的に可能なのか、再受験に成功した場合・失敗した場合にそれぞれどのような人生を歩んでいくのかを明確にして、検討材料としましょう。

費用

仮面浪人は、通常の浪人よりも大きな費用がかかります。籍を置く大学の入学金や授業料、設備費などに加え、大学と併せて通う場合は予備校の授業料も必要です。

文部科学省の発表によると、令和5年度の私立大学（学部）における学生納入金の平均額は、以下のとおりです。

【私立大学（学部）における学生納入金の平均額】

学生納付金	授業料	959,205円
	入学料	240,806円
	施設設備費	165,271円
参考	実験実習料	28,864円
	その他	83,194円
総計		1,477,339円

参考：文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」

仮面浪人中に平均して年間140万円以上の費用がかかり、希望の大学に合格して再入学できた場合は、さらに4年間の学費が発生します。ほとんどの方は、金銭面で保護者の協力を得ることになるため、費用のシミュレーションをしたうえで、仮面浪人が可能かどうか保護者と話し合うことが大切です。

時間・期間

仮面浪人をするなら、あらかじめタイムリミットの年数を決めておくのがおすすめです。他大学に在籍する期間が4年間あり、休学または留年すれば在籍年数をさらに伸ばせます。そのため、再受験に失敗しても気持ちが切り替えられずに、だらだらと浪人生活を続けてしまうケースもあります。

浪人期間があまりに長引くと受験などにかかる費用がかさみ、晴れて再入学をしても、後の就職活動の際に良い印象を持たれない可能性も高いです。「○年以内に希望の大学に合格できなければ諦める」と決め、モチベーションを高く保って受験勉強に取り組みましょう。

もし失敗した場合の進路

仮面浪人の結果、希望の大学に合格できなかった場合、その後の進路はどうするのかもあらかじめ決めておきましょう。「入学した大学に通い続けて卒業する」「大学を退学して就職する」など、その後の人生のビジョンを明確に描いておくことで、受験勉強のモチベーションの維持につながります。

仮面浪人の受験成功率を上げるポイント

最後に、仮面浪人の受験成功率を上げるポイントを4つ解説します。仮面浪人をすると決めたら、大学生活が始まる前に1年間の過ごし方をよく考え、具体的な計画を練っておくようにしましょう。

タイムマネジメントを行う

大学の勉強と受験勉強を並行するなら、毎日のタイムマネジメントを徹底することが重要です。受験勉強の時間をどのくらい確保する必要があるのか、サークル活動やアルバイトをする余裕はあるのかなど、事前に綿密なシミュレーションを行って日々の行動計画を立て、そのとおりに継続することが求められます。電車での移動中や空きコマなどの隙間時間も無駄にせず、有効活用しましょう。

長期的な目線で計画を立てる

仮面浪人では、通常の浪人以上に長期的な目線で計画を立て、日々着実に実行して勉強を積み重ねていく必要があります。自由に使える時間が少なく、無計画に受験勉強を後回しにすると、リカバリーがきかなくなってしまうためです。自分でスケジュールを組むことが難しい場合は、塾や予備校を頼ることも考えましょう。

得意・不得意分野を分析する

受験勉強をより効率的に進めるために、自分の得意・不得意分野を徹底的に分析して、勉強の計画に反映させましょう。ただ闇雲に不得意分野の勉強をしても、効率が下がってしまうだけです。

不得意分野を克服することと、得意分野をさらに伸ばしていくことのどちらが高得点につながるのかを考えて、それぞれに割く時間のバランスを見極めてください。

大学の友達の距離を一定に保つ

仮面浪人のために入学した大学では、友達と一定の距離を保つことを意識しましょう。受験勉強よりも友達と遊びたい気持ちが勝ってしまったり、サークル活動に誘われて断れない状況になってしまったりすると、再受験の成功は難しいです。

しかし、交友関係を完全に遮断してしまうと、在籍中に孤独感や居づらさを感じてしまうことも考えられるため、付かず離れずのほどよい距離感が大切です。

 

まとめ

滑り止めで合格した大学に入学しながらも、次年度の再受験を目指して受験勉強を続ける「仮面浪人」は、履歴書上の空白期間を作ることへの不安が強い方などにおすすめできる選択肢です。

ただし、大学に籍だけを置いて通学はしない場合を除いては、通常の浪人よりも受験勉強に割ける時間が少なく、厳しい道のりとなります。費用も非常に大きくなるため、保護者ともよく話し合って、どのような進路を選ぶのか慎重に検討してください。

仮面浪人をすると決めたら、すぐにその後1年間の過ごし方について考え、入念な勉強計画を立てて日々実行していきましょう。

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なお、当ブログの以下の記事では、受験勉強をするにあたって必要不可欠な参考書の正しい選び方や参考書選びのコツ、高校生におすすめのわかりやすい参考書と教科別・志望校別におすすめの参考書、参考書を買ってから効率よく勉強するためのコツや注意点、参考書の使い方や読み方・書き込みのコツについても紹介しています。是非こちらも参考にして志望校合格を勝ち取ってください。

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